|
|
遠隔送電とか塗布可能な蓄電材とか、このところ、「物」が
再び(情報通信や生命科学がもてはやされた時代があった)
世の中に幅を利かせてきているように思う。
今では「物」の製作には、高エネルギー効率とか温室効果
ガス排出量ゼロといった絶対善が味方についている。 利便
や快楽の追求を後押しするという印象が強い情報通信製品
の発展よりも、また、「個の医療」とか「疾病の撲滅」
などという壮大かつヒトのみを対象とした我侭な恩恵を
もたらすことを目指している生命科学製品よりも、目に
見えて触れて使えて、更に「地球に優しい」品物のほう
が強い(生活に必需)という印象を与えるのではないか。
生活に必需である「物」が高効率という性質を身に付け、
更に「地球に優しく」なることを絶対善と思えると同様に
生命科学によって生命は何かということを知った(よう
な気になる)ことにも抵抗を感じないようにはならない
ものかと思う。 どうも生命科学には、その発展に誰もの
賛同をとり付けられるような善質がない。 現行の生命
科学が誰もの賛同をとり付けられるネタを追求していない
か(追求していないとおもう)、ヒトは、生命とは何か
などということを知りたいと思っていないか(思って
いないように感じる)辺りがこの善質の欠落の原因、と
考える。
株の売買をやっている人から時々、「バイオ系の優良株
は何か」と尋ねられる。 カネを儲けようとしての質問で
はあるのだが、バイオなる産業に興味を持ってくれて、
それに投資をしてくれようという気があってのことでも
ある。 こういう興味に応えられない、ということは、
あってはならないと思う。 思う、が、今の(我が)
バイオ産業は、十分に興味や期待に応えられていない
とも感じている。
そんな「物」があったら実に好いなぁ、と思えるもの
を、生命科学業界からも、送り出してゆきたい。
|
|